8月11日に、丹羽さんの天体写真展「 時空を超えた贈りもの」に行ってきました。この個展自体の概要は、もうすでに多数の方がブログ等で報告されていますので、ここでは私自身の感想と、丹羽さんにお聞きした話を書こうと思います。
感想を一言でいうと、「素晴らしくうらやましい」です。まず展示された天体写真があまり多くないのがいい。それだけ作者ご本人から説明を丁寧にしてもらえます。また、プリントそれ自体の素晴らしさはもちろんですが、会場の選択から、部屋の照明の色温度と照明方法、プリント作品の大きさ、その作品をどの高さで展示するか、など考え抜かれていることが伝わってきます。
メインの作品である「ほ座超新星残骸」はHa線モノクロ画像の8枚モザイクという大作ですが、星像はAI処理で消去されています。丹羽さんに、「そもそも星を消そうと思われたのはなんでですか?」と聞いてみました。ご自身のスマホでカラーバージョンの写真を見せてくれながら、「天体写真を見慣れていない人には、どれが超新星残骸かよくわからないと思ったんです。」とのお話でした。なるほど、通常のRGB写真では星の存在感が圧倒しているので、超新星残骸は星像に隠れるような印象になりがちです。さすが見る人のことを第1に考える丹羽さんらしい視点だと思いました。結果的には大成功だったと思います。
この写真展のテーマの一つに「天体写真はアートになるのか?」というstatementがあります。実は過去のCANPでもこれと同様なテーマで話し合われたことがあります。天体画像処理はどこまで許されるのか?これはなかなか難しいテーマで、CANPでも結論は出なかったと記憶しています。一つの考え方として、サイエンスのバックグラウンドがあった上で、画像処理プロセス上再現性があれば良いのでは、という意見があります。これについては科学的バックグラウンドはなくてもいい、という意見もありますし、一方眼視派の人の中にはナローバンドのハッブルパレット合成も許せない、という人もいます。科学写真としての天体写真と鑑賞を目的とした天体写真は別だ、と考える人もいます。要は、これが正解というのはない、ということです。
わたし自身は、丹羽さんのように「見る人視線第1」に考えるのが一つの解ではないか、と考えます。天体写真を鑑賞する人が何だかよくわからなくても感動したり、自分と宇宙のつながりを少しでも感じられれば成功なのかな、と思います。自分もそんな天体写真を目標に精進したいと思いました。特に自分はプリントを苦手にしているので、精進のしがいもあるかと。。。
丹羽さんありがとうございました。今後のご活躍に期待します!



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